頭痛と一口に言っても、その種類は大きく分けて「一次性頭痛」と「二次性頭痛」に分かれます。一次性頭痛は脳に器質的な病気がないもの、二次性頭痛は脳腫瘍やくも膜下出血など何らかの病気が原因で起こるものです。日常的に悩まされる頭痛のほとんどは、前者の一次性頭痛です。
一次性頭痛の中で特に多いのが、ズキズキと脈打つように痛む片頭痛と、頭全体がギュッと締め付けられるような緊張型頭痛です。片頭痛は吐き気や光・音への過敏を伴うことが多く、月に2回以上発作がある場合や生活に支障が出る場合は予防療法の検討対象になります。一方、緊張型頭痛は肩こりや首こり、デスクワークによる姿勢の悪さ、ストレスと関連して起こりやすく、40代以降の中高年女性に多く見られます。
また、日本特有の気象環境も頭痛に影響します。梅雨や台風シーズン、季節の変わり目に悪化する「気圧の変化」を感じる方は少なくありません。気圧の乱高下がめまいや片頭痛を引き起こす「前庭性片頭痛」という状態も近年注目されており、専門外来でも対策の相談が増えています。
市販薬を長く使い続けるリスク
頭痛があるたびに市販の鎮痛薬を飲んでいるという方も多いでしょう。ただし、注意が必要です。鎮痛薬の使用頻度が上がると、かえって頭痛が慢性化する「薬物乱用頭痛(MOH)」に移行するリスクがあります。目安として、鎮痛薬を月10日以上、あるいは週2〜3日以上使用している場合は、専門医への相談を検討すべきだと言われています。
市販薬が効かなくなった、効く量が増えてきた、月に2回以上頭痛で予定を崩す——そんなサインが一つでも当てはまるなら、自己流の対処を続けるより、一度きちんと診断を受ける方が結果的に早道です。頭痛外来では問診と神経学的診察を行い、必要に応じてMRI・MRAなどの画像検査を実施して、脳の病気による二次性頭痛を除外した上で治療方針を決めます。
専門外来で受けられる治療と費用のイメージ
日本では脳神経内科や脳神経外科の一部、頭痛専門外来で、片頭痛の急性期治療と予防治療の両方に対応しています。近年はCGRP関連抗体薬などの新しい予防薬も登場し、従来の治療で効果が不十分だった方にも選択肢が広がっています。
| 治療の種類 | 具体例 | 費用のイメージ | こんな方に | メリット | 注意点 |
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| 急性期治療(頓服) | トリプタン系薬剤、NSAIDs、新規経口薬 | 保険診療のため自己負担は薬剤によって異なる | 発作が来たときに確実に抑えたい方 | 発作時の痛みを短時間で緩和 | 月の服用回数が多いとMOHのリスク |
| 予防治療(毎日/月1回) | CGRP関連抗体薬、抗てんかん薬、β遮断薬 | 抗体薬は高額だが公的医療保険の対象、月額自己負担は所得に応じて異なる | 月2回以上発作がある方、市販薬に頼っている方 | 発作の頻度と重症度を根本から下げる | 専門医による適応判断が必要 |
| 非薬物療法 | 鍼灸、理学療法、認知行動療法、頭痛日記の活用 | 保険適用外のものもあり、施設によって異なる | 薬に頼りたくない方、誘因を分析したい方 | 副作用が少なく長期的な体質改善が期待できる | 効果には個人差がある |
| なお、頭痛外来の初診にかかる費用は、日本の公的医療保険が適用されるため、3割負担であれば一般的な外来受診と大きな差はありません。気になる場合は、お住まいの地域の頭痛専門外来に直接問い合わせて確認するのが確実です。 | | | | | |
日常生活でできる3つの対策
治療と並行して、日常生活の工夫も頭痛の予防に役立ちます。すべてを一度に始める必要はありません。自分に合いそうなものから取り組んでみてください。
1. 頭痛日記をつける
頭痛が起きた日時、痛みの強さ、天気、睡眠時間、食事、ストレスなどを記録しておくと、自分特有の誘因が見えてきます。生理周期との関連が疑われる方や、気圧の変化に敏感な方には特に有効です。受診の際に持参すれば、診断の精度も上がります。
2. 睡眠と食事のリズムを整える
寝不足も寝すぎも頭痛の誘因になります。休日に寝だめして頭痛が起きた経験がある方は、就寝時間と起床時間をできるだけ一定に保つことを心がけましょう。空腹による低血糖も片頭痛を誘発するため、食事を抜かないことも大切です。
3. 首と肩の緊張をほぐす
緊張型頭痛が主な悩みなら、デスクワーク中の姿勢を見直し、1時間に一度は肩を回したり、首を軽くストレッチしたりする習慣を取り入れましょう。入浴時に温めて血流を促すのも効果的です。
頭痛で迷ったら、まずは専門医へ
「まだ病院に行くほどではない」「忙しくて受診する時間がない」と思っている方も、頭痛で仕事の集中力が落ち、生産性が下がっている状態は、医学的に見れば決して放置してよいものではありません。赤坂おかだ頭痛クリニックが発信している通り、「痛みを我慢できるレベルにする」のではなく「頭痛を忘れて仕事に集中できる日を増やす」ことが、現代の頭痛治療の目標です。
まずはお近くの頭痛外来、あるいは脳神経内科・脳神経外科の外来で相談してみてください。日本頭痛学会の専門医が在籍する施設であれば、より安心して最新の治療方針について話を聞くことができます。あなたの頭痛に合った治療法は、必ず見つかります。